「妥協」という言葉を、いったんやめてみる
条件を下げる、妥協する。そう言った瞬間に、自分の選択が敗北のように聞こえてしまう。ほんとうは、優先順位をつけているだけのはずです。
「妥協」は、自分の選択を負けにする言葉
婚活の話をしていると、必ず「どこまで妥協するか」という言い方が出てきます。でもこの言葉を使った時点で、選んだ相手が「本当は届かなかったところ」になってしまう。
実際にやっているのは、譲歩ではなく順位づけのはずです。全部は同時に満たせないから、大事なほうを取る。それは負けではなく、ふつうの選択です。言葉を変えるだけで、同じ行動がまったく違って見えます。
条件が多いのではなく、順位がついていない
「理想が高い」と言われて条件を減らそうとする人は多いのですが、たいてい問題は数ではありません。十個あっても、順番がついていれば判断できます。三つしかなくても、全部が同格だと動けません。
順位がついていないと、そのつど目についたものが一位になります。今日は収入、来週は価値観、その次は見た目。基準が動いているのに、動いている自覚がない。これが「決められない」の正体であることが、かなりあります。
三つに絞る、という不便な作業
やることは単純です。誰か特定の人を思い浮かべない状態で、譲れないものを三つだけ書き出す。四つ目を書きたくなるのを我慢する。
この作業が不便なのは、絞る過程で自分の本音が出てくるからです。書けそうで書けない。書いてみると、思っていたのと違う三つが残る。その居心地の悪さが、たぶんいちばんの収穫です。
三つ、という数に根拠はありません。四つでも五つでもかまいません。ただ「全部大事」から一歩でも動かすことに意味があります。
「世間がそう言うから」を外す
書き出した項目には、必ず自分以外の声が混ざっています。親が安心する条件、友人に説明しやすい条件、その年齢ならこのくらい、と言われた条件。
これらを全部消せ、という話ではありません。親を安心させたいのは、あなた自身の願いでもあるでしょう。ただ、それが誰の願いなのかを一度分けておくと、後で判断がぶれにくくなります。誰かに説明できないことを選ぶ場面は、必ず来るからです。
数字の条件は、何かの代わりに置かれている
年収、身長、学歴、年齢。数字で書ける条件は扱いやすいので、リストの上位に来やすい。でも多くの場合、その数字そのものが欲しいわけではありません。
- 年収 — 生活の見通しが立つこと/お金の使い方の感覚が近いこと
- 学歴 — 話が通じること/物事の考え方が近いこと
- 身長や外見 — 一緒にいて自分が心地よくいられること
- 年齢 — 子どものこと/体力や働き方のこと
右側が本体で、左側は代理です。代理のほうで測ると、本体を持っている人を取りこぼします。逆に、代理を満たしていても本体が無い人を選んでしまうこともある。数字は、確かめるのが面倒なことの近道として置かれている、と思っておくといいと思います。
だから、条件を「下げる」必要はありません。代理を本体に置き換えるだけです。それは妥協ではなく、精度を上げる作業です。
譲れないものは、たいてい生活のかたちの話
実際に絞っていくと、最後に残るのはスペックではなく、日々の暮らし方であることが多いです。お金をどう使うか。人とどう距離を取るか。休みの日に何をしたいか。揉めたときにどうするか。
これらは書類には書いてありません。会って、話して、少しずつ埋まっていく欄です。そして埋まらないまま進むと、後からいちばん効いてきます。
条件は、人を落とすためのものではない
条件表は、相手をふるいにかける道具のように見えますが、使い道はもう一つあります。自分が何を大事にしているのかを知ることです。
そして自分の軸がはっきりすると、不思議なもので、条件から少し外れた人ともちゃんと話せるようになります。何が譲れないかを知っている人は、それ以外を怖がらなくて済むからです。
この比べ方を、
そのまま道具にしました。
- ・比べるボード — 先に自分の軸を決めて、複数のお相手を同じ列で並べる
- ・冷静クエスチョン — 空欄になっている論点を、話せる形の質問にする
- ・締切やカウントダウンで決断を迫る機能は、既定で切ってあります
- ・相性を点数で断定したり、お相手を順位づけしたりはしません
出会いを提供するサービスではありません。すでに出会っているお相手について 考えるための道具です。記録は端末の中に保存されます。
